第1章 ひとりで履歴を残す はじめて
任意:手元のメモで履歴を残す
図解で分かったことを、自分のパソコンで試す練習です。コマンドを覚える必要はありません。一つずつ結果を確認します。
- GIT
- 入門
- 図解
この練習は後回しでも大丈夫
最初の図解の「区切りの記録」を実際に作ります。スマホで読んでいる人は、別案を試す図解へ進んでかまいません。
ここからは自分のパソコンにファイルと履歴を作ります。ターミナル(文字で操作を指示するアプリ)を使います。WindowsではGit Bash、macOSではターミナルを開きます。
git --version でバージョンが表示されれば準備できます。見つからなければ公式のインストール案内を確認してください。
練習専用の場所を作る
大切なファイルがある場所では試しません。一行ずつ実行し、エラーが出たら次へ進まず止めます。同名のフォルダーがある場合は、別の新しい名前を選びます。
mkdir git-practice
cd git-practice
一行目で空のフォルダーを作り、二行目でその中へ移動します。続いて、その場所で履歴を管理する準備をします。
git init -b main
ファイルと履歴を管理するこの場所を「リポジトリ」と呼びます。main は最初の作業の名前です。詳しくは次の章で扱います。
記録者の名前とメールも必要です。この練習場所だけに仮の情報を設定します。
git config user.name "Learner"
git config user.email "learner@example.invalid"
履歴には記録者の情報も残ります。実際に共有する前に設定を見直してください。
一つ目の区切りを残す
文字を書くエディターで、練習フォルダー内に memo.txt を作り、「買うもの:りんご」と書いて保存します。拡張子が二重の memo.txt.txt になっていないかも確認します。
まず、Gitから見て何が変わったかを確認します。
git status
初回は memo.txt が未追跡(まだ記録の対象にしていないファイル)として表示されます。
次に、今回の記録に含める内容を選びます。この選択を「ステージする」と呼びます。別のフォルダーへ移動する操作ではありません。
git add memo.txt
選んだ内容を見て、間違いがないか確かめます。表示が長くなって操作が止まったように見えたら、q で表示を閉じられます。
git diff --staged
「買うもの:りんご」が追加されると分かったら、理由をつけて区切りを記録します。
git commit -m "最初のメモ"
選ぶ操作と記録する操作を分けることで、残したい変更を確認してから記録できます。選んだあとに編集し直した場合は、その新しい内容はまだ選ばれていません。再確認してからもう一度 git add memo.txt を実行します。
文章を変えて、二つ目を残す
同じファイルの「りんご」を「みかん」に直して保存します。まず、前の記録との差を読みます。
git diff
- の行が前の内容、+ の行が新しい内容です。次の順序で、選ぶ・確認する・記録する、を繰り返します。
git add memo.txt
git diff --staged
git commit -m "みかんに変更"
履歴と、前の文章を読む
git log --oneline
「みかんに変更」「最初のメモ」が新しい順に並べば成功です。横の英数字は記録の識別番号で、人によって違います。
二つの記録を作れたら、一つ前の記録にあるメモを表示してみます。
git show HEAD~1:memo.txt
HEAD~1 は現在の記録の一つ前という意味です。「買うもの:りんご」と表示されます。読むだけなので、いまのファイルはみかんのままです。 表示が長くなり操作が止まったように見えたら q で表示を閉じます。
りんごに戻したいときは、表示を参考にエディターで書き直し、同じ手順で新しい区切りを記録できます。
うまくいかないとき
「not a git repository」は練習フォルダーに移動できているか確認します。「nothing to commit」は新しく記録する変更がないという意味です。ファイルを保存したか、内容を選んだか、git status で確認します。
HEAD~1 が見つからない場合は、二つ目の記録まで作れたか履歴を確認します。エラーを消すために削除や強制上書きの操作をする必要はありません。
公式資料と確認日
確認日:2026年10月31日。